[SIS][OIS]

『世界は千里でひとつになる The World Comes Together in Senri』

海外子女教育情報センター(INFOE)発行 『月刊 INFOE』連載記事より


第11回 世界のどこに進学・活躍しても通用するスキル!  SISでの国際的教育とは・・・

SIS & OIS 社会科 / ダッタ・シャミ

What is International Education!? 
皆さんは「国際教育」とは何なのか、考えたことがありますか?海外滞在中は特にこのことに関して考えるきっかけが多いと思います。
私はインド出身ですが、15年前に千里国際学園(SIS)で社会科を教え始めたころ、日本の教育界では「国際」という言葉をよく耳にしました。現在も日本は世界第2位の経済力を誇りますが、日本で教育を受けた若者が日本と世界の両方で活躍できるような教育が課題となっています。 

SIS/OISでの国際的教育の大事な一部分は生徒が日本、又は世界のどこに進学しても通用する学習・リサーチスキルを身につけることです。又、世界のどこで働くことになっても必要になってくる基礎的な力があります。たとえば、
自分の分野では何が大事かを見定める力!
問題があればそれを解決する力!
わからないことがあればそれを様々な視点から調べ、人に伝える力!
これらを学校という環境で自ら身につけていくこともSISの生徒・教師が作っている国際教育です。カリキュラムや教師はその環境を整え、常にいるガイドであって、世界に通用する自主性が育っていくというのもSISの国際教育の大事な部分です。

さて、いったいどうやってこんなスキルが身につくのでしょう? SISでは様々なことが重ねあってそんな教育が実現する環境ができています。そのいくつかは今までの連載でも詳しく紹介されています。たとえば:
1.様々な背景・考え方を持つ教員・生徒集団が日々その違いを乗り越えて教室の中と外で共に学んだり、数多くの行事を作っています。
2.
Osaka International School (OIS) では国際カリキュラムとしては世界的にもっとも高い評価を得ているInternational Baccalaureate (IB)を小学校から高校まで実施しています。SISでも可能な範囲でIBの考え方を取り入れ、OISとの合同授業も行っています。 それに加えて、世界・日本の様々な地域での教師経験のある教員集団が常にカリキュラムのさらなる充実を図っています。たとえば、数年前より授業の学期完結制によって授業の種類や生徒の選択の幅が増えました。
3.英語教育を充実し、生徒が自分に合うレベルの英語の授業を受けられます。
4.英語・日本語以外の言語も学べる機会があります。
5.スポーツ・音楽等の国際大会(APAC)に参加し、異なる環境で学ぶteenagersと競い合ったり、又は色々な壁を乗り越えて一つのもの作っています。

上記のような学校全体で取り組んでいることはこれ以外にもたくさんありますが、ここでは社会科の中で工夫しているいくつかのこと書きます。社会科では上に述べたようなSISの国際教育の実現のためにはまず日本と世界のことを深く知ることが大事と考えています。その上で、その知識について考える力分析する力、そして場合によっては議論の中でそれに対して疑問を投げかけ、問う力が必要だと考えています。つまり、
Knowledge (知識) what, when, where, who, how だけではなく、why effects にも重点を置いています。
たとえば185354年のペリーの来日を見るときに、いつ、どこで、誰が、何をしたのかだけではなく、なぜその時にアメリカが日本の開国にこだわったのか?
なぜ日本では様々な反応があったのか?
この出来事によって幕末の日本がどのように、又なぜ変わって行ったか?
150年以上も前の出来事だが、その後から今現在までどんな影響を与え続けているか? 昔のことが今の私たちの世界とどうつながるっているのか?
これらのことを教師がすべて答えを教えるのではなく、生徒と共に考えながらまとめて行きます。SISの生徒は難しい「なぜ」という問いにも答えを出してくれます。様々な視点から大昔のことでも現在との結びつきを見つけてくれます。教師も考えたことのないような「影響」を考えてくれます。歴史の授業で今の世の中の理解を深めていきます。

歴史以外にも社会科ではユニークな授業があります。比較文化、政治経済、宗教学、地球社会と個人、Theory of Knowledge、などです。それらの授業でも「なぜ」や「影響」を見ながら世界のどこで活躍をしても通用する知識やスキルを身に付けていきます。考える力、分析力以外に、プレゼンテーションする力も大学生や社会人になった時に必要です。いくつかの授業でSISの生徒は良いプレゼンテーションを仕上げるためにはまず良いテーマ選びから始めます。自分がわからないから知りたいことは何か、この授業なら皆も興味を持つテーマは何か、現実的に調べられるテーマは何か!テーマが決まったら、どうやって色々な角度から調べられるか、資料選びにこだわります。どんな流れで、どんな工夫をしたらわかりやすい・考えさせられるプレゼンテーションになるか。どうやったら自分のテーマに関する異なる見方も伝えられるか。質問にはどのように答えるか。卒業生はSISでのプレゼン経験があったので大学・会社でも自信を持って調べたことを人前でプレゼンできると良く話してくれます。

いくつかの授業やプレゼンテーション・テーマを紹介しますと、
アメリカはいつから、そしてなぜSuper Powerと呼ばれるようになったか。
小国日本はいつから、なぜ経済大国になったのか。
日・米の野球文化どう違うのか、なぜか。
人はなぜ宗教を信じるのか。
宗教は個人・小社会・世界にどんな影響を与えるのか。
キリスト教、仏教、ヒンズー教、神道などはどう違うのか・似ているのか。それはなぜなのか。
人はなぜ墓を作ったり、お葬式をしたり、ミイラを作るか。
Jazzのルーツや影響、結婚式のルーツは、日本語のルーツは何なのか・・・(又はその他あらゆる文化的な要素のルーツは何なのか。)
なぜ60年代のアメリカではHippy現象があったのか。
ソ連ではなぜ共産・社会主義が崩壊したのか。
今、各地域や世界が抱えている諸問題の理由は何か。どんな解決策が試されてきてなぜ成功・失敗したのか。
今、各国や世界レベルでpositiveな動き、うまく行っている政策や協力はなぜうまく行くのか・・・人類は過去から何を学びどう前進しているのか。

今までに生徒がresearch and presentationをしたテーマを書き続ければきりがありませんが、SISの生徒はこうしたプロセスを通じて国際社会で活躍するスキルや知識を身に付けていきます。上記のようなスキルは社会科以外の教科でも重視されています。又、海外での経験のある生徒はすでにそんなスキルを持ってSISに来て、さらに磨いて、そしてSISの国際的な教育環境に多いに貢献してくれています。


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Senri International School Foundation, All Rights Reserved. Modified 2007/05/12