[SIS][OIS]

『世界は千里でひとつになる The World Comes Together in Senri』

海外子女教育情報センター(INFOE)発行 『月刊 INFOE』連載記事より


第7回 進路情報室の紹介

進路情報室/理科  新見眞人

 はじめまして、私は中等部3組担任の新見眞人と申します。理科(中等部2年生の科学と高等部の化学)担当が主ですが、他に進路情報室、高等部生徒会、科学部、ボランティアクラブ(Love is All)等々も引き受けています。1991年4月の(旧校名)大阪国際文化中学校・高等学校(OIA)開校以前の千里国際学園設立準備財団から関わっている学園で最も古い教員の一人です。
 この冊子を手に取ってくださっている皆さんに、ここではSIS高等部卒業後の進路選択に当たってのサポート体制の一つである進路情報室の役割について、その基本的な考え方と実際に日常行なっている仕事内容を簡単に説明させていただきます。

◆進路情報室の役割分担
 まず、進路情報室では、専門分野ごとに次のような役割分担をしています。
進路情報室(新見、松島、見島、山本)では、国内の大学・短大・専門学校・就職等の進路情報を提供します。カレッジ・ガイダンス・カウンセリング室(ステンガー)では、海外の大学などの進路情報の提供をします。カウンセリング室(栗原、廣田)では、海外への進路選択に当たっての種々のアドバイスをします。カウンセリングセンター事務室(小野寺)は、上記全般の進路に関する必要書類作成発行等の事務処理をしています。

◆進路情報室の基本的な考え方
 SISでは多くの日本の学校で使われている進路指導室(部)という呼称は用いていません。ここでは進路情報室と呼んでいます。(同様に、生徒指導室(部)もありません、その代わりSISが大切にしている 『5つのリスペクト※』があります)。この進路情報室の一番重要な仕事は、生徒一人一人とじっくり個人対応をすることです。そこで行っていることは、毎日届く複雑で膨大な量の進路に関する情報(本、学校案内、パンフレット、ビデオ、ポスター、インターネット)を分類整理し、生徒たちになるべく利用しやすい形で提供することや生徒の進路選択に関する相談を必要に応じて受けることです。一方で行っていないこと(行ってはいけないと胆に銘じていること)は、生徒の進路選択にあたって直接的な影響を与える(指導?すること)ことです。進路を選択するのはあくまで生徒本人です。われわれ教員はその選択を尊重し、その希望にそった適切な進路情報とアドバイスを与えています。また、国内と海外の両方の進路が選択できるという他の学校にはない大きな特色(利点)がSISには存在しています。

◆進路情報室と学年担任や教科担当教員の役割分担について
 生徒たちの相談に応じるのはまず担任の先生です。進路情報室担当は学年担任団の先生へ必要な情報を提供しています。もちろん、帰国生入試等、特に複雑な情報が必要な場合には、直接、進路情報室担当が相談に応じています。生徒一人一人の進路希望にそって、教科(あるいはクラブコーチ、クラブ顧問、特別活動顧問)担当の先生へも積極的に相談に行き適切なアドバイスを受けるようにと話しています。

 私は、新年度初頭の春学期には高等部生徒たちに次のような話をしています。
 『夢や希望』を持つことはとても大切なことです。あなたのその『夢や希望』の達成に向けての地道な学習や活動を継続し、簡単にはあきらめず必要な努力を怠らないでください。自分自身をしっかり見つめ、あなた自身を理解してほしいと思います。そしていろいろな教科学習、クラブ、学級や学年の活動に取り組んでみて、たえず新しい自分の可能性を見つける努力を続けてください。将来、あなたは『どのような仕事で社会に貢献したいのか』を真剣に考え始めることが大切なのです。

 最後にいつも、あなたの心に刻んでおいてほしいことを書きます。
 あなたの進路は最終的には自分自身で決定するべきです。しかし、まずはあなたの保護者と十分な話し合いをしましょう。ただ、もしも、あなたと保護者の考え方が一致しない場合には、根気強くあなたの希望を伝え、その希望実現に向けてあなたがいかに努力しているかを見てもらい、保護者の理解と納得が得ることが大切です。そして、担任の先生や教科の先生から積極的にアドバイスを受けるようにしてください。私たち教員はあなたが選択した希望進路を十分に尊重し、一人一人と個人面談の時間をたっぷり取り、適切な情報とアドバイスを用意しています。

 このような一人ひとりを大切にした幅広い教育の結果の一つとして、SISの生徒たちは自らの力で選び取った進路に進んでいきます。今春(2006年度3月)の卒業生たちの多彩な進路状況を一覧表にまとめました。そこから彼らの活き活きとした姿を感じていただけるのではないかと思います。

※ 『5つのリスペクト』 自分を大切に 他の人を大切に 学習を大切に 環境を大切に リーダーシップを大切に という5つの生活上の基本的指針です。SIS生徒は常に「5つのリスペクト」を念頭に置き、自らの判断によって正しく行動することが求められています。
 


←前記事  記事一覧  次記事→

Senri International School Foundation, All Rights Reserved. Modified 2006/09/26