第18回 未来に向かって
校長 大迫弘和
この「シリーズ 世界は千里でひとつになる The World Comes Together in
Senri」の連載を開始したのは2004年10月に発刊された『INFOE』創刊号でのこと。今回、まず『INFOE』
の創刊20号を心からお祝いし、またずっとがんばり続けている松本輝彦さんに、学園として、 また私個人として、心からの敬意と賞賛を送りたいと思います。
さてこれまでのこのシリーズは次のようでした。
第一回 千里国際学園という学校 校長 大迫弘和
第二回 千里国際学園の英語教育 英語科・アドミッション 井藤眞由美
第三回 千里国際学園の授業 理科・教務センター長 真砂和典
第四回 千里国際学園の5Respects 教頭 平尾公美洋
第五回 たかがスポーツ、されどスポーツ 保健体育科 平井太佳子
第六回 授業紹介:英語科選択科目『バイリンガリズム』 アドミッション/英語科 井藤眞由美
第七回 進路情報室の紹介 進路情報室/理科 新見眞人
第八回 千里国際学園でのリサーチとプレゼンテーション−そのバックアップとしての図書館 図書館/総合科 青山比呂乃
第九回 アメリカの大学へ進学した卒業生たち アドミッション/英語科 井藤眞由美
第十回 新たな教育の可能性を求めて 無人島キャンプと授業の融合 『現代文明を見つめなおす』 理科 田中守
第十一回 世界のどこに進学・活躍しても通用するスキル! SISでの国際的教育とは・・・ SIS & OIS 社会科 / ダッタ・シャミ
第十二回 Authentic Opportunities: Visual Arts Classes at SIS
(本物に触れる教育:ビジュアルアートの授業より) 美術科 Leanne Stephen
第十三回 数学の授業ではグラフ電卓を有効利用 数学科 馬場博史
第十四回 SISのバイリンガル環境 英語科 Catherine Brown
第十五回 The Music Program at Senri/Osaka International School 音楽科 John Secomb
第十六回 A Bilingual Environment SISのバイリンガル環境 英語科 Catherine Brown
第十七回 千里国際学園の授業:国語科と日本語科 国語科 福島浩介
こうして眺めてみると千里国際学園の教育についてずいぶんたくさん紹介をさせていただいてきたなと実感します。と同時に、千里国際学園の教育についてはまだまだ書ききれていないことがたくさんあって、このシリーズを永遠に続けていけそうな気もするのです。千里国際学園の教育内容を皆さんにお伝えしている千里国際学園の先生方、それは「夢」を共有しているすばらしい先生方なのですが、まだまだこの場に登場していない先生が何人もいます。書く内容にも、書き手にもまったく困らない学園、それが千里国際学園という学校なのです。
さて、学校という場所は、その主人公たる子ども達が、毎年次から次へと入れ替わっていく場所です。千里国際学園でも最大でも6年という時間が過ぎると、子ども達は次の場所に旅立ちます。主人公である子ども達が変わっていきますので、学校という場所では、毎年毎年同じ事を繰り返しても、新しいなにかが生み出されていきます。
そのように考えると、学校では、その学校なりのある形が出来あがれば、それをひたすら繰り返していくということで、役割を十分に果たせることにもなるでしょう。伝統のようなものもそのようにして形作られてもいくのでしょう。
しかし、やはり、百年一日の如く、ただ同じ事を繰り返していることは、進歩、というコンセプトから考えると、決して望ましい事ではない。
千里国際学園では2008年度、校内に「MYP委員会」を新設しました。MYPって?と思われる方もあるかと思います。本校校内誌「インターカルチュア」の104号から107号まで(2006年3月号―10月号)4回連続で国際バカロレアについて書きましたのでそちらを見ていただけると分かっていただけるはずです(www.senri.ed.jp
でインターカルチュアに飛んでください)。
本校と合同の教育活動をしている大阪インターナショナルスクールの日本語科の大迫奈佳江教諭が本校の研究紀要第12号(2007年)に発表された論文の文章をお借りすると、世界水準の教育プログラムである国際バカロレアとは「21世紀を担う次世代では、個人レベル、国家レベルではなく、世界レベルでものごとを考えられる人間が育っていかなければならない」とする教育であり、また「互いに『同じ』になろうとするのではなく、『違い』を積極的に理解する姿勢」を求める教育です。私たちが日々教育活動を共にしている大阪インターナショナルスクールOISでは1991年9月の創立当初より国際バカロレアのThe
Diploma Programme(中等教育最後の2年間を対象とするプログラム。略称DP)を実施、2004年にはThe Middle Years
Programme (略称MYP)、The Primary Years Programme (略称PYP)の実施が正式に認可され、これによりOISは幼稚園から5年生に対しPYPが、6年生から10年生に対しMYPが、そして11・12年生に対してはDPが提供される、一貫したIBプログラム提供校となっています。
千里国際学園のキャンパスは教育の宝の山。今のところ千里国際学園がMYPを完全導入することをゴールとして考えているわけではありません。しかし、MYPからきっとたくさんのことが学べ、千里国際学園の教育が留まることなく進化していけるヒントがそこにあるように予感するのです。
日本でたった一つの「日本型国際学校」、千里国際学園。
千里国際学園は進化し続けていきます。
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Modified
2008/06/03