知っていますか?公共料金 1999.11.

馬場博史

 先日、中等部2年生の数学「一次関数」の授業で、各自が各家庭のガス・電気・水道料金を調べ、表とグラフで表すというレポートをしてもらいました。普段子供はあまり気にしていないでしょうし、大人も何気なく使用量と料金しか見ないレシートですが、よく見てみると色々なことが分かります。

 まずどれにも共通していることは、基本料金と従量料金があるということです。基本料金は全く使用しなくても支払う一定額の料金を意味し、従量料金は使用した量に比例して支払う1単位(電気はkwh、ガス・水道は立方メートル)当たりの料金を意味します。さらに従量料金は使用した量によっていくつかの段階に分かれ、少しずつ単価が変わっていきます。従ってどの場合も使用量と料金を表すグラフは単純に一直線になるのではなく、折れ線になります。

 さて、これら3つの料金にはそれぞれ大きな特徴があります。まずガスの従量料金は使用量が多くなるとだんだん安くなります。このことは大量に購入すると単価が安くなる商品が多いので当然かと思いますが、電気と水道の従量料金は使用量が多くなると逆に高くなるのです。これは資源の無駄使いを減らすための方策なのでしょう。

 もう一つの大きな特徴は、ガス・電気料金は関西のどこでも同じであるのに対し、水道料金は市によって異なるということです。大阪府下の場合、府の供給する水を多くの割合で使いますが、その使用料金は、市の浄水施設や財政状況によって左右されているようです。次に引っ越すときは、行き先の市の水道料金が高いか安いかよく調べてからにしましょう。

 他にも面白い特徴があります。電気の従量料金は、「燃料費調整単価」で若干加減され、3か月に一度少し変動があります。ガスの従量料金も、原料費の変動に応じて3か月ごとに変わります。また、電気・ガス料金は毎月支払いますが、水道料金は、水自体の料金と上下水道使用料金が合算され、2か月分ずつまとめて支払います。さらに、ガス・電気料金は支払い期限を過ぎると、「早収料金」(普通の料金)に3%加算された「遅収料金」を支払わなくてはいけませんが、箕面市の水道料金の場合、「遅収料金」はありません。

 さあ、以上のこと、どのくらいご存じでしたか。エネルギーの無駄使いをなくし、限られた資源の節約に協力しましょう。おっと、スポーツによる運動エネルギーの消費は大いにけっこうですよ。30分以上の持続的な運動でしっかり体脂肪を燃やしましょう。「勝ちたかったら身体をしぼれ!」


★夏休みに数学の本を読みました 1998.10.

田中憲三

 1998年夏、高校1年生全員と高校2年生の数学選択者のみなさんに対して、数学関連図書の内容紹介を課題としました。学校で使用している教科書から離れて、広い立場から数学という学問をじっくりと見てほしいという思いがあったからです。
 集まってきたみなさんの力作を「数学関連図書の読書案内」として学内LAN上にホームページとして公開しました。今後のみなさんの読書計画に大いに役立ててください。
 以下に、今回、複数の人が取り上げた人気の図書のタイトルと著者名、出版社名を上げておきます。

■ゲーデルの謎を解く 林晋 岩波書店 ■フランス革命と数学者たち 田村三郎 講談社ブルーバックス ■マンガ数学入門 岡部恒治 筑摩書房 ■確率のはなし 大村平 日科技連出版社 ■楽しみながら数字に強くなる本 須永一郎 海南書房 ■自然にひそむ数学 佐藤修一 講談社ブルーバックス ■数の歴史 ドゥニ・ゲ−ジ 創元社 ■数学がおもしろくなる12話 片山考次 岩波ジュニア新書 ■数学ぎらいをなくす本 田村三郎 講談社 ■数学と人間の風景 森毅 NHK出版 ■数学なんか恐くない 大野栄一 岩波ジュニア新書 ■数学を築いた人々 矢野健太郎 講談社現代新書 ■零の発見〜数学の生い立ち 吉田洋一 岩波新書