2007/5/14数学出張講義感想文

TN
 今回の講義のテーマは「微分にまつわる話」でした。大学の先生が授業を行うので難しいのかと思いましたが基礎のおさらいを少しやって難易度を段々に上げていくというスタイルだったので思ったよりも理解することができました。とはいえ微分といえば数学の中でもかなり難しい部類に入るので僕の場合は終盤の内容がわからなくなってしまいました。しかも何がわからないのかがわからないという状況に陥ったので質問することもできず自身の未熟さを痛感しました。ですが上には上がいるという当たり前のことを再認識できたのでそれだけでも大きな収穫だったと思います。

YM
 正直今日の授業は全く理解できませんでした。もともと私が微分に関する基礎をきちんと理解していないせいだと思うのですが、最初のお話からちんぷんかんぷんでした。最後に配って頂いたグラフは解読できなかったものの、とても興味深いと思いました。何も知らなくて見たら、誰かがデザインしたCGかと間違えそうです。同じコンピューターを使って描いたものだとしても数式のグラフには普通見えません。先日馬場先生が印刷してくださった本の一部の「1÷9×9=1だが、1÷9= 0.1111×9=09999になる」の部分と似ていて、これが数学だ!と信じていた「数学」に対するある一種のステレオタイプが取り払われるようなグラフでした。謎に包まれていたけれど、白黒のグラフは「きれい」で、数学の奥深さを実感しました。

HN
 最初に考えられたときの微分を興味を持てるように話して頂いて,χとрを使われた説明が分かりやすかったです。プリントのグラフィックは初めて見て,点と空間が同じくらいの範囲だと思いました。にこにこ授業をして頂いて気軽に受けられました。ようこそ来て下さいました。*^ー^*

TH
 数学とはしばらく離れていたのでわからない点が少なからずあったが、教授の講義は新鮮でとても楽しめた。高校生活には学べない教養の範囲、受験数学とはかけ離れた真の数学の楽しさというものに多少なりとも触れられた。そして今までの数学への意識というのもが自分の中で興味のある方向へ傾いてきたのでとてもためになったと思う。また機会があれば、このような講義をいろいろな生徒にして頂きたいと思う。大学での数学と高校での数学というものが大きく違いがあるということを、数学の楽しさを多くの人に伝えて欲しい。

KK
 最初は基礎的な話でもしかしたらあんまり・・・と思っていたが、ルートの本質の話や、複素数のニュートン関数の話を本質的、かつ基礎的に説明していておもしろかった。あの奇妙なフラクタル図形もなかなか不思議でした。ただ、所々説明のところで「カオス」などちょっとわかりにくかったです。

MO
 出張講義のお題が「微分にまつわる話」というのを聞いて、どこまで話についていけるのだろうかと思いました。前半自分の知識でなんとかついていってたものの、元々微分がそんなに得意ではなかったのでだんだんわからなくなっていきました。特に最後、哲学的な話になっていった時はちんぷんかんぷんでした。微分の出張講義の内容は完全には理解できなかったですが、大学の数学を考える時には、発想する力が必要なのだなと実感しました。そして今自分がやっている数学はたとえ問題が解けていても、数学の本質がわかっていないのだなと思いました。大学では数学の本質を探っていかないと理解できないような問題が多くあるのだと思います。
 今回の出張講義で今、自分が習っている数学がどれだけ浅いものかを実感することができて良かったです。まだ深くまで考える余裕はないのですが、大学受験を今年控えてる私にとっては大学の一部分が見えたような気がして、とても良い時間を過ごせました。ありがとうございました。

YT
 講義で寝てしまうんじゃないかと心配を抱えて、今回受講しました。その前の時間、眠かったからです。しかし、その心配は無駄に終わりました。講義で何を言っているか50%以下ぐらいしかわからなかったのですが、先生の個性が面白く、また独特の雰囲気がでていて楽しむことができました。そして、数学科の教授がどんなことを研究しているのかがわかり身近に感じることができました。勉学の面でも、高校数学の基礎が大学にいっても重要だということを再度認識することができました。ありがとうございました。

SM
 今回の出張講義において、まだ自分の数学においての理解能力不足だったため、講義の内容の理解度は60%程だった。しかし、普段自分では考えたりすることはない複素数力学やそのジュリア集合など、新しいことを知る機会ができて良かったと思う。もし、次回があるなら、その時は今回より事前に授業の内容を理解しておき、当日に混乱することなく講義を受けられるようにしたい。

保護者
 大学から高校への出張講義のことを知ったのは、息子が7年生で、SISに入りたてのころでした。大好きな数学の授業を一度聴講してみたいと思っていましたが、なかなか参加できず、今回初めて、その機会が巡ってきました。数Vの授業を受けるのは高校以来、?十年ぶりでしたが、数Uの知識でいけるということと、易しく噛み砕いて説明していただいたおかげで、半分くらいは理解できました。
 ニュートン力学のころはまだ微分がなく、その定式化のために微分ができたという前振りはとても印象的でした。数Vの教科書を見ても、いきなり微分法そのものが書かれているだけですが、なぜ微分が生まれたのかを少し聞くだけでも随分微分に対する見方が変わってくるように思います。
 最初の例題で、2次関数の解を求める際に、”解の公式では解を求めたことにならない”と言う話にこれまた衝撃を受けました。この例題では解が√2になるのですが、√2というのは”2乗すると2になる数です”といってるだけで、1.4142・・・という値そのものについては何も語っていないというわけです。今まで、何も考えずに、解の公式を使って解を出していたので、そんな風に考えたことはありませんでした。これが、ニュートン関数を使えば、どの点から出発しても、1.4142・・・に収束していくのです。3次関数になるとうまくいかないらしいのですが、ある3次関数で解に収束できない点を集めて表したグラフはさまざまなフラクタル集合があらわれて、私にはアートそのものでした。よくは理解できなかったものの、数学の美しさを久しぶりに感じた瞬間でした。
 数学の授業にわくわくしながらも、受講している生徒達の様子もしっかり見させていただきました。男子生徒9名女子5名の計14名でした。一学年80名強の生徒数を考えると14名というのは少なすぎる気がしますが、授業を受ける人数としては集中かつリラックスできる人数だと思います。授業の最後に質問時間がありましたが、時間オーバーにもかかわらず、積極的に質問が出て、さすがSISだと思いました。中でも、最初の質問が、多くの人が心に抱く疑問、”受験数学は大学に入ってから本当に役に立つのか”というものでした。この本質をつく質問をするところにもSISの生徒のスケールの大きさを感じました。それに対する先生の答えは、『経済学をはじめ多くの学問で、数学の用語が使われているので、知識としては受験数学が必要だが、本当の”役に立つ”というのは、知識としてではなく、数学的考え方を身につけることで、それができれば役に立つと言える。一人一人が、受験数学を通して、どれだけ考え方を深めることができたかによるのだ。』というものでした。進路を真剣に考える高3生にとって、抽象的ではあるが、非常に意味深い答えであると思いました。
 まだ息子は中学生ですが、保護者の私が高校の授業を拝聴できるのも、六ヵ年一貫教育によるものであると感謝しています。息子が授業を受けたわけではありませんが、3年ひとくくりの学校と違い、初歩の数学から、高度な数学までの授業が同じ空間で行われているという環境が息子に好影響を与えると信じています。
 最後になりましたが、このような興味深い出張講義をセッティングし、また快く保護者にも聴講できる機会を与えてくださった馬場先生はじめ学校の関係者の皆様にお礼申し上げます。